将棋界の一番長い日 A級順位戦最終局

今年もこの日がやってきた。

名人への挑戦権をかけたA級順位戦の最終局。

「将棋界の一番長い日」と言われるこの日は、今年もやはり正念場となった。

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勝てば初の名人挑戦の豊島二冠

6者プレーオフという空前絶後の結末を迎えた前期(昨年)の順位戦。

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今期は可能性が残るのが豊島二冠(1敗)、広瀬竜王(2敗)、羽生九段(2敗)の3人に絞られた。

豊島二冠は勝てば文句なしで挑戦権獲得だが、負ければ直接対決の広瀬竜王、羽生九段の勝者とプレーオフになる。

前期も最終戦に勝てば名人挑戦だったが、惜しくも破れ、プレーオフで一番不利な位置からの戦いとなり、羽生九段に破れ挑戦権を逸した。

それから一年でタイトルを2つ獲り、充実している今期の豊島二冠は、このままの勢いで挑戦権を獲得できるのではと思う。

ただ、相手が久保九段とはこれまで14勝15敗と互角で、先手番に限っては4勝9敗と大きく負け越している。

単純にデータ通りの展開にはならないが、先手番で迎える久保九段との相性は良くない、といえるので気がかりである。

久保九段も来期の順位がかかっているので、ここで星を落とすわけにはいかないので、厳しい戦いになることが見込まれる。

もし豊島二冠が勝って挑戦権を獲得すると、平成生まれの棋士として初めて名人戦に挑むことになる。

降級争いも注目

挑戦権も気になるが、一方で降級争いも熾烈である。

すでに降級が決まっている阿久津九段以外に、もう一人降級がかかっている。

降級の可能性があるのは三浦九段(3勝5敗)と深浦九段(2勝6敗)の二人。

三浦九段は勝てば残留だが、負ければ深浦九段の結果待ちとなる。

星勘定では同率だが、前期の順位が深浦九段の方が上なので、勝敗が並ぶと深浦九段の方が上位となり、三浦九段が降級となる。

深浦九段と三浦九段は昇級降級争いでこれまで数々の因縁があり、今期も最後の最後にもつれるとは業の深さを感じる。

20時25分深浦九段投了

糸谷八段の怒涛の攻めを受け切れず、残念ながら深浦九段が投了。

降級が決まりました。

前期は自身の残留がかかっていたとはいえ、6者プレーオフの立役者(久保王将に勝利)でもあったので、降級は非常に残念です。

 

糸谷八段は6勝3敗でA級初参戦で好成績をおさめました。

深浦九段は4度目のA級からの降級。

しかし逆に言えば、これまで4度B級1組を勝ち抜いてきた実力者なので、5度目のA級昇級を期待します。

やはり地球代表は将棋星人と鎬を削ってこそなので(笑)

22時49分広瀬竜王投了

羽生九段が広瀬竜王に勝利。

最後は広瀬竜王の読み違えか?

羽生九段は7勝2敗で2位以上が確定。

無冠になり、羽生は衰えたといった声があるが、この成績以上は豊島二冠しかいないんですけど(笑)

羽生九段、平成のタイトル大精算のあと、またいい感じになってきてるのでこれから(直近はNHK杯)が楽しみです。

23時38分佐藤九段投了

阿久津八段は最終局で1勝を挙げ、A級での初勝利を挙げた。

A級での通算成績は1勝17敗…やっと、やっと勝てた。

佐藤九段は4勝5敗と、今期は勝ち越しならず。

23時49分稲葉八段投了

中盤有利を築いていた稲葉八段が頓死で投了。

三浦九段、深浦九段の降級が決まっていたとはいえ、勝利での自力残留おめでとうございます。

ってか、みうみうやっぱり粘り強いわ。

0時25分久保九段投了

最後まで残った豊島久保戦は、日付けが変わって終局。

久保九段、今年も最後でしたね……。

この結果をもちまして、豊島二冠が佐藤天彦名人への挑戦権を獲得しました。

平成最後の名人戦に、平成生まれの棋士が初めて出るのか。

途中で元号変わってしまいますが、第1局は4月10日、第2局は4月22日なので平成のうちですから…。

 

昨年、共に最終局を勝てば挑戦権を獲得できた二人の対局が最後まで残ったのも何かの巡り合わせだったのかなと。

とにもかくにもお疲れ様でした。  

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