114手で梶浦四段が投了し、藤井四段が勝利しました。
これにより順位戦9連勝で、最終戦を前にC級1組への昇級を確定。
併せて五段への昇段が決まり、史上初の中学生での五段昇段となりました。
新人が全勝で順位戦を突破
2016年10月にプロになって1年4ヵ月。
29連勝や現役名人を破った最年少棋士が、またひとつ大きな記録を打ち立てました。
C級2組順位戦は50人の棋士が1年で10回戦を戦い、成績上位3人が昇級します。
成績下位には降級点がつき、降級点が3つ付くとフリークラスへの降格が決まります。
そのため、それぞれの棋士は、タイトル戦よりもシビアに勝負に徹するといわれます。
その中で藤井四段は1年目にして、全勝で昇級を決めました。
そして規定により、五段に昇段。
これは同じく中学生でプロになった羽生竜王、渡辺棋王より早い記録です。
渡辺棋王は五段に昇段するのに3年かかっています。
羽生竜王は2年4ヵ月。
谷川浩司九段も2年4ヵ月かかっています。
この3人と比べると、そのスピードがいかに早いかお分かりいただけるでしょう。
なお、ひふみんこと加藤一二三九段は8ヵ月で五段に(笑)
この記録は金輪際破られることはないでしょう。
(昇段を決めた時点では中学生でしたが、昇段は4月1日付だったため、高校生ということになります。)
やっぱりひふみんは凄いな。
また、1期でC級1組への昇級は、これまでひふみん(A級まですべて1期抜け)のみ。
そのことからもこの記録の凄味が伝わってきます。
朝日杯将棋オープン戦が次の山場
さて、2月17日に朝日杯将棋オープン戦準決勝で藤井五段は羽生竜王と対戦します。
昨年、2度の非公式戦で対局し、1勝1敗の二人。
初の公式戦は、どのような対局になるか、今から楽しみですが、この棋戦でも大きな記録がかかっています。
仮に優勝すると、規定(全棋士参加棋戦優勝)により六段に昇段します。
もしここで昇段すると、史上最年少の六段、しかも五段から六段への最短昇段記録(16日)となります。
なお、六段昇段は羽生竜王(19歳時)、渡辺棋王(20歳時)共に1年半かかっています。
もし15歳で六段になったら、ひふみんの昇段記録も抜き去りますし、さらにはひふみんの持つ棋戦優勝の最年少記録(15歳10ヵ月)も更新します。
果たして、藤井五段は優勝して六段に昇段できるのか?
今年も将棋界は注目です。