ファミリーマートを展開するユニー・ファミリーマートホールディングスの筆頭株主、伊藤忠商事の岡藤正広社長が、独自の新ポイントカードの導入や金融事業への参入を検討しているとのこと。
今後のコンビニ利用に影響が出そうな気がします。
ファミマ以外の状況は?
主なコンビニチェーンのポイントカードは次の通り。
セブンイレブン
- nanaco(税抜き100円につき1ポイント加算)
- 対象商品をnanacoで買うとボーナスポイント付与
- 1ポイント1円として利用可能
- 会員数:5,300 万人
- 全国23万店以上で利用可(2017年4月21日現在)
- 決済件数:年間20億件以上
ローソン
- Ponta(税抜き100円につき1ポイント加算)
- 対象商品を買うとボーナスポイント付与(提示でOK)
- 1ポイント1円として利用可能
- 会員数:8,177万人
- 全国約17万店以上で利用可(2017年5月1日現在)
- 決済件数:1億9,000万件/月
ミニストップ
- WAON POINT(税込み200円につき1WAON POINT加算)
- 対象商品を買うとボーナスポイント付与(提示でOK)
- 1WAON POINT1円として利用可能
- 発行枚数:約5,610万枚(2016年2月末現在)
- 全国約27万4,000か所以上で利用可(2016年10月末現在、自販機等含む。)
- 年間利用金額:約2兆592億円(2015年度)※電子マネー決済の約4割
なお、Tポイントは会員数は6,277万人ながら、全国670,745店舗で利用可能と、最大の店舗数を誇っています。月間利用件数は3億4,452万件/月 (2016年4月)と、老舗の強さをみせつけています。
銀行の状況
もうひとつのポイントが銀行ATM。
セブンイレブンはセブン銀行、ミニストップは系列のAEON銀行と、自社で銀行業務も行っています。
ローソンは三菱東京UFJ銀行と協力して自社で銀行業務を行う準備を2016年から進めています。
ファミリーマートは店内にATMを設置しているものの、自社での銀行運営がなく、ATM利用による恩恵はありません。
実はATM利用での手数料収入はかなり大きな額になっていて、セブン銀行は2017年3月期に251億円の純利益を計上しています。
この金額は2017年2月期のファミリーマートの連結純利益220億円を上回るもので、競争の厳しいコンビニにとっては、大きな収入源となっています。
こういった 理由でローソンもファミリーマートも銀行業に参入することを前向きに検討しているものと思われます。
自前で運営するリスクも
しかし、ポイント業務や銀行業務を自社で行うことは、大きなリスクも抱えています。
ポイントについては、自前でポイント管理システムを構築する必要があり、また、その管理運用にも大きなコストがかかります。
そのコストが原因で、ポイントプログラムの内容が消費者にとって、メリットの少ないものになることも懸念されます。
そうなると、ファミリーマートを積極的に利用する理由がなくなるので、他のコンビニチェーンへと流れる恐れがあります。
いかに消費者をつなぎとめるかが課題で、そのためにはポイントの大盤振る舞いが必要になってきますが、あまりポイントをばらまくと利益を圧迫することになるので、簡単に打ち手の小槌にはなりません。
また、銀行業務についても同様で、さらに銀行は口座契約者数をどこまで伸ばせるかも重要な課題です。
なにはともあれ、新しいポイントシステムや銀行を立ち上げるのであれば、業界の構図が大きく変わり、現在のポイント収集体制を見直す必要がでてくると思われます。
実際に動き出したら、詳細を確認し、どこがお得か、再度検証する必要がありますね。