最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が、「上州YAMADAチャレンジ杯」トーナメント戦で3連勝し、デビュー以来の連勝記録を「23」へと伸ばしました。
デビュー以来快進撃を続けるこの新人棋士の記録は、いったいどこまで伸びるのでしょうか?
23連勝は今世紀最長の記録
藤井四段の記録は歴代単独3位ですが、2000年代に入ってからは最長の記録となります。
2000年代の最長連勝記録は山崎隆之八段の22連勝(2002~2003年、当時21~22歳)。
羽生三冠の連勝記録も「22」ですが、これは1992年(当時22歳)のこと。
二人ともプロになって数年後に達成した記録であることを考えると、新人で達成した藤井四段はとんでもない棋士であることがわかるでしょう。
なお、藤井四段より続いている記録は、1994年に丸山忠久九段が記録した24連勝で、歴代最長の連勝記録は神谷広志八段が記録した28連勝(1986~1987年)。
つまり、藤井四段の連勝記録は、今世紀最長の記録なんです。
藤井四段は2002年生まれなので、藤井四段が生まれた年に作られた山崎八段の記録を塗り替えたということになります。
あわやというところでつながった連勝記録
安定的に勝ちをおさめているように見える藤井四段ですが、22連勝がかかった阪口五段との対局では、あわや敗北というところまで追い込まれていました。
終盤、藤井四段が寄せるも、ミスで後手阪口五段が優勢に、しかし阪口五段が三手詰めを見逃し、藤井四段に三手詰めを献上してしまう痛恨のミス!
そのミスに助けられ、藤井四段の勝利となりました。
今回、ミスが連発した背景は、この棋戦のルールによるところが大きいかと。
持ち時間が20分、時間切れ後は一手30秒という超早差し。
時間がない中で最善手を見つけるのは困難で、プロでもよく見落としが起こります。
羽生三冠でも一手詰めを見落とすことも…。
とにもかくにも、限られた時間の中で、フルに頭を使って、クタクタになってミスをすることは往々にしてあるので、それを含めて将棋の楽しいところといえるのではないでしょうか?
なお、次の3戦目は終始危なげなく戦い、完勝。
おそらく、2戦目のミスで気が引き締まったのではないでしょうか。