黄色いにくいやつ、HTBマスコットonちゃん20周年

HTBのマスコット、onちゃんが、12月1日に誕生20周年を迎えました。

HTB開局30周年記念キャンペーンにおけるキャラクターとして誕生したonちゃん

誕生から20年も経つんですねえ。

テレビ局のマスコットとしては、日本一売れているんじゃないでしょうか。

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水曜どうでしょうと共に歩んだ20年

テレビ局のマスコットとして20年も続いているのは珍しいようで、殊に地方ローカル局のマスコットととしてはダントツの知名度です。

まあその知名度の要因はあの番組。

 

そう「水曜どうでしょう」。

 

当初は普通のマスコットとして活動していましたが、どうでしょうに目をつけられたのが運の尽き、いや、躍進のきっかけか(笑)

レギュラー陣以外の出演者として、顔を出さないために都合よく着ぐるみで登場させた安田さんonちゃんが、onちゃんの運命を決めました。

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十勝二十番勝負で初めて安田さんが中に入り(中の人などいない、という件については後述)、伝説のクリスマスパーティー、釣りバカシリーズ、夏野菜など、数々の企画で、不動の人気を獲得していきました。

 

onちゃんは、当初各地のイベントでほのぼのとした交流を目的にしていたのでしょう。
しかし、当初の思惑を超えた領域で、onちゃんは絶大な人気を獲得していったのです。

大泉洋という男は、自分の人気を脅かす者への鋭い嗅覚を持っているように思います(笑)

そのためかこの男は、かわいいマスコットに対して嫉妬心を抱き、殴る蹴るの暴行を加え続けます。

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彼の中では、本能でコイツは近い将来、自分の人気を脅かすことを感じていたのかもしれません。

 

実際、「水曜どうでしょう祭 UNITE2013」で発表された名キャラクター部門では、2位のシェフ大泉(3798票)にほぼダブルスコアの大差をつけて、安田さんonちゃんが1位(7348票)を獲得しました。

会場で発表を見ていましたが、結果が発表された時の大泉さんの苦虫を噛み潰したような顔は今でも印象に残っています(笑)

onちゃんの人気の秘密

テレビ埼玉の「たまたま」という番組(不定期放送だが、現在は実質休止中)のイベントでのこと。

複数の観客がonちゃんのぬいぐるみなどグッズを持っていたのを見た読売テレビの西田二郎氏が藤村Dに質問をしました。

onちゃんって、なんでこんなに売れてるん?どうやって展開したん?ウチ(読売テレビ)もキャラクター(ウキキ)おるけど全然やねん」

その時の藤村Dの答えが

「いや、あれ、onの人気じゃないんだよ。ヤスケンなんだよ」


水曜どうでしょう」を見ていなかった西田氏は「え?どういうこと?」と言って食いついていきました(ここら辺は関西人特有の知りたがり感全開)。


キャラクターとしてのonちゃんではなく安田さんonちゃんという構図により、安田さんのキャラクター(おもしろさ)がonちゃんにリンクしたことが大きいというのです。

 

これは安田さんの人気に乗っかるということではなく(当時はまだ北海道でもそれほどの人気では…)、安田さんのキャラが視聴者に受け入れられ、そのおもしろさ(試験に出るどうでしょう、対決列島、西表など)が、そのままどうでしょうファンの間でonちゃんのキャラとして定着した結果、どうでしょうの枠でonちゃんがブレイクした、というのが藤村Dの分析でした。

また、こういう形でのブレイクは、他では絶対マネできない、とも豪語していました。

そりゃそうですよ、どうでしょうの中だけならともかく、クリスマスパーティーの時は、「早起きクマさん」に乱入した挙げ句に、生放送で局のマスコットに暴行を加えるってんだから(笑)

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なお、この「早起きクマさん事件」については、「局のマスコットに暴行を加えるのはあまりにも酷い」と、藤村Dが始末書を書かされたという後日談があります。

あえて中身を晒すという手法

着ぐるみに関しては、よく「中の人などいない!」という扱いになっています(浦安のネズミさんとか)。

子ども夢を壊さないための配慮、という観点からも、そういった判断は理解できます。

しかし、この点についても藤村Dの持論は世間とは一線を画します。

 

「着ぐるみの中に入っている奴だって人生があるんだよ。

onだって時給ウン百円で、がんばってるわけですよ。

だからね、クリスマスパーティーの時、ヤスケンにアルバイト云々って話が出てくる。

それをね、隠したってしょうがないじゃない。

そういった人間臭さが、共感を生むと思うんだ。

それをね、ファンタジーの世界で、中の人なんかいないってするのはねえ」

(「腹を割って話そう」でのコメント要旨)

 

まあ確かに、実際は中の人はいるわけで、その人たちにもそれぞれの人生があります。

キャラってものは、本来世界観を崩しては存在できないわけですが、onちゃんの場合、安田さんを前面に出すことで、ファンタジーな部分は最初からぶっ壊されていた。

しかも他で営業に使ってて、着ぐるみがないからということまで赤裸々に語られてたわけです。

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くまもんが天皇陛下に拝謁した際、皇后さまが県知事に

くまモンさんはおひとりなの?」と質問された件を思い出しました。

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ネットでは「鋭すぎる質問」「皇后さま、そこは触れてはなりませぬ…」「皇室ジョークか」「まあ、中の人も含めて、バックアップ・待機系くまもんが居ますとは言えんわな」と様々な意見がありましたが、皇后さまの質問はファンタジーではなく、現実としてくまもんを認識しているという点において、事の本質を突いているなと個人的には思いました。

 

onちゃんは安田さんという中の人とリンクすることで、ここまで愛されたのだと思います。

また、安田さんもonちゃんによって人気が高まった部分がありました。

安田さんはあるイベント(確か2014年頃、「ミエルヒ」の上映イベント)で、こう言っていました。

「最初はonちゃんの人だと言われるのが正直好きではなかった。

安田顕ではなくonちゃんというフィルタでしか見られていないと感じていた。

でもある時、彼はある意味自分の一部で、彼がいたからこそ、自分はここまでこれたんだと気づいた。

今でもonちゃんと言われることがある。

もう10年以上前にやったことなのに、まだ覚えてくれている人がいるっていうのは他にはないことで、非常に光栄なことだ。」

どうでしょう藩士の中では、たぶん安田顕の代表作は「水曜どうでしょうonちゃん」のまま、これからもずっと記憶に残っていくことでしょう。

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