今回のブラタモリは平泉。個人的に好きな場所なので楽しみにしていた。
前に行ったときは年末で、雪に包まれていたが、雪のない季節に行きたくなってきた。興味深かったのは川ですくった砂から大量に取れた砂鉄。今回は平泉の繁栄の部分にスポットを当てていたからあまり言及されなかったが、おそらく大量の砂鉄が、蝦夷が朝廷から独立を保つことができた一因だったんじゃないだろうか。
砂鉄は現代では南部鉄器の原料として利用されているが、当時は武具の材料として使われていた可能性が高い。坂上田村麻呂が10万の兵で陸奥を攻めた記録があるが、当時その10分の1の兵力で凌ぎ切った背景には、武具の差が大きかったと考えられる。大軍ゆえに鋳造した件と、主に皮を固めた防具の朝廷軍、少数(あくまで朝廷軍との比較)だが、鍛造された件と、鉄を用いた防具に身を固めた蝦夷軍という構図があったんじゃないかな。
また、今回は繁栄という光の部分を取り扱った番組構成だったが、金が大量に取れたがゆえに戦乱の地になってしまった不幸な歴史があって、敗北し、虐げられ、耐えて、力をつけて、ついに自分たちの手に取り戻した蝦夷300年の歴史を踏まえた上での楽土という視点がなかったのが、少し残念であった。
しかし、ブラタモリは地形という観点でその地域を見ていくので、北上川の東側の地層が稀有なものであり、それゆえに陸奥で大量の黄金が取れるようになったことを科学的に検証しているのがとてもおもしろかった。
また北上川に大量の雲母が流れているというのも興味深かった。浮世絵師とかだったら天国みたいな環境だろうな。
しばらく雪に閉ざされる東北だが、雪が融けたら改めて訪ねてみたくなった。