ゴリゴリの文系人間が人工知能について調べてみた1

ここの所、話題の人工知能

以前から名前はよく聞きますが、じゃあいったいどんなものなのか?と聞かれると、何と言っていいのか分からない。

そういうわけで、そもそも人工知能って、何なのか?をゴリゴリの文系人間が調べてみました。


正直技術的な部分はさっぱりで、誤解している部分もあるかと思いますが、概念程度はなんとなく分かったように思います。

数回に分けて、それをまとめてみました。

f:id:dreamaker7:20171206192850j:plain

人工知能の歴史

人工知能が何なのかを知る前に、サラッと人工知能の歴史を調べてみました。
するとなかなか面白い事がわかりました。

 

人工知能の概念が発表されたのは1947年。

ロンドン数学学会の講義でアラン・マシスン・チューリング人工知能の概念を提唱しました。

f:id:dreamaker7:20171206193135j:plain

アラン・マシスン・チューリング

 

このチューリングという人は、第二次世界大戦中、暗号解読者としてドイツ軍のエニグマ暗号の解読に従事していました。

エニグマはドイツ語で「謎」を意味する単語で、文字の置き換え方式による暗号です。

たとえば「A→Z」「B→Y」「C→X」というように、本来の文字とは別の文字に置き換えた文字列で文章を作り、キー(置き換えルール)に沿って解読するというわけです。

エニグマ暗号の鍵は、15垓8,000京通り以上(1.58×10の20乗)という莫大な量。

しかも解読されないように、そのキーを日替わりで使っていたので、他の国が暗号を受信しても、キーが分からないと内容がわからない上に、仮に解読できたとしても、翌日にはもう違うキーなわけです。

それをチューリングは、チューリング・ボンベという機械を用いて暗号解読を行い、なんと15分程で解読をしていました。

 

なお、チューリングの名前は、計算機科学分野で革新的な功績を残した人物に贈られる「ACMチューリング賞」として、現在も残っています。

チューリング賞はコンピュータ業界のノーベル賞ともいわれるもので、2014年からGoogleが後援し、受賞者に100万ドルを進呈するということからも、その重要性はお分かりいただけるでしょう。

 

第二次世界大戦ではレーダーなど、電子機器の技術的発展がめざましかったことが知られています。

その流れを受け、1946年に現在のコンピュータの基礎となる方式、ノイマン型コンピュータ(ソフトウェア方式)が開発されたことも、人工知能の誕生の背景として興味深いものがあります。

 

さて、話は人工知能に戻ります。

1956年のダートマス会議ジョン・マッカーシーが「Artificial Intelligence(人工知能)」という言葉を使いました。

人工知能という言葉の誕生です。

f:id:dreamaker7:20171206193152p:plain

ジョン・マッカーシー

 

そしてアレン・ニューウェル、ハーバート・サイモン、ジョン・クリフォード・ショーによる「世界初の人工知能プログラム“Logic Theorist”(数学の定理を証明するプログラム)」のデモが行われました。

意外と早い時期に人工知能の現物が開発されていたんですね。

 

ちなみに人工知能搭載コンピュータHAL9000が登場する「2001年宇宙の旅」の公開は1968年。

完全自立型汎用ロボットである「鉄腕アトム」を手塚治虫が発表したのが1955年ですが、アトムは今回のカテゴリーにおいては、人工知能という部分よりもロボットを擬人化したものとして描かれていると個人的には思います。

いずれにしろSFや漫画の世界で自立思考型コンピュータ(ロボット)がこの時代に登場している点は、クリエイターの自由な発想力に感服する次第です。

人工知能開発における壁

それからの10年、人工知能は様々な分野で開発が進んでいきましたが、高度な分野に応用するにあたり、様々な問題にぶつかっていきます。

当時の人工知能は単純な作業はできたのですが、対象に関するデータを持っていませんでした。

例として挙げると、物を掴んで動かすという作業はできるのですが、掴む物の強度を見極めることができないわけです。

つまり、リンゴを掴んで動かす際と、卵を掴んで動かす際に、それぞれに必要な力の見極めができなかったわけです。

 

また、プログラム上(理論上)できることと、現実にできることのギャップがありました。

さらに、知的構造を生み出すための基本構造の限界(コンピュータのスペックの問題)がありました。

そのため、すべての問題に対して解答を導く汎用型システムではなく、個別の条件に特化したシステムにならざるを得ませんでした。

分かりやすく言うと、何でもできるアンドロイドが汎用システム型AIで、現在目にする囲碁や将棋で人間に勝つことを目的としたものが特化型AIとなります。

しかし当時の特化型AIも、問題解決のためには、その解決方法をすべて知っておかなければならないという制約がありました。

つまり当時の人工知能は、対象について保有データから最適な答えを出す機械だったわけです。

まとめ

人工知能とは何かについて書こうと思っていたのですが、まずは歴史について書いてしまいました。

しかし、人工知能を理解する上で、基本となることなので、非常に簡単ではありますが、少し整理しておいた方がいいと思いました。

人工知能の歴史についての詳細は、人工知能学会のホームページに詳しく掲載されています。

次回以降、人工知能について、掘り下げていきたいと思います。

Copyright (C) SINCE2016 風来海人 All Rights Reserved.