昨年12月17日に220万円を記録したビットコイン。
あれから1ヵ月、なんと本日100万円付近まで暴落しました。
わずか1ヵ月で半値以下になってしまったビットコイン。
リアルマネーと違い、1日で激しくレートが変動するのが仮想通貨です。
いったいどのように投資していけばいいのでしょうか?
投資と投機の違い
まず前提条件として、投資と投機の違いを理解しておきましよう。
投資とは戦略を持って資産の運用を行うことです。
一方で投機とは、値段が上がることを期待して資金を注ぎ込むことです。
ここですでに違いがわかると思いますが、投資とは不確定要素をコントロールして資産を増やしていくことで、投機とはいわば博打なのです。
投資にとって必要なことはリスクマネジメント。
これは、最大どれだけの損を許容できるかということです。
そうすると必然的につぎ込む資金が変わってきます。
FX(為替取引)ではレバレッジをかけて運用することが一般的ですが、リアル通貨は変動幅が大きくないので、多少のレバレッジをかけても大きなリスクになりません。
ただ、数年に1度予想もできない大きな変動が起こることがあります。
この時、高いレバレッジをかけていると、一気に資産を失うことになります。
優秀なトレーダーは、そういった事態も織り込んで資産管理を行っています。
リスクマネジメントの重要性
仮想通貨への投資は、ここ最近の大幅な値上がりを享受しようと、大量の資金を投入し、さらにはレバレッジをかけるなど、ハイリスクな運用を行っている人が少なからずいます。
値上がりしている状況では、こういったハイリスク運用もうまくいって、大きな儲けを得ることができます。
しかし、今回のような暴落の局面では、一気に資産を失うことになります。
例えば、12月に200万円分のビットコインを買っていたとしましょう。
今日、100万円近くまで暴落したので(その後120万円辺りまで戻しましたが)、資産は半分になってしまいました。
もし、レバレッジをかけて2倍で運用していたら、全額を失ってしまいます。
仮に4倍のレバレッジだと400万円の損が出て、手元の資金はマイナス200万円となります。
つまり200万円の借金です。
変動(ボラティリティ)が大きいものは、レバレッジをかけると、大きく儲けることもできますが、大きく損をすることも念頭に置いていないといけません。
自己資産以上の損失を出したことはありませんが、かつて私はレバレッジをかけすぎて、資産の約9割を失ったことがあります。
その時の失敗は、正直受け入れられませんでした。
しかし、そこから反省して、リスク管理を厳しくコントロールするようになりました。
年明けにアメリカのアナリストが、年内にビットコインは10万ドルを超えるだろうと言っていました。
年初は大体17,000ドルくらいでした。
ちなみに2017年の年初は1,100ドルくらいでした。
1年で15倍になったわけですから、今年も6倍くらいの値上がりはするだろうという予想です。
それを聞くと、チャンスに乗り遅れたくないという人たちが一気に買って値が上がることが期待できると思うのですが、相場は大抵自分の行って欲しい方向と逆に動きます。
今回は、各国が仮想通貨取引を制限する規制をかけることになるというニュースが流れ、今のうちに手持ちの仮想通貨を現金化しようという動きが加速したことが大きな要因となっているようです。
仮想通貨は、その位置づけが曖昧なため、規制によって価値が大きく損われるリスクがあります。
今回大きな損失を受けた人たちは、仮想通貨が今後も値上がりすることに賭けて、手持ちの仮想通貨を売却せずに持ち続けているからです。
手持ちの仮想通貨の量が多ければ多いほど、損失は大きくなります。
また、資産の多くを仮想通貨につぎ込んでいる人は、暴落すると一気に資産をしなうことになります。
仮想通貨のように価値が大きく変動するものは、資産での割合を少なめにしておくことがリスクマネジメントになります。
これは個人的な意見ですが、資産全体に占める仮想通貨の割合は、最大でも10%以下にしておくことが望ましいと思います。
私個人が仮想通貨で資産運用をするのであれば、最大5%程度に抑えます。
確かに大きく値上がりした場合は、全財産を仮想通貨につぎ込んでいる人に比べて利益の幅が大きくありません。
例えば100万円の資金で5万円分のビットコインを買ったとします。
そして、アメリカのアナリストの言う通り、今年の年末、6倍になったとしましょう。
そうすると25万円の儲け、年間利回りは25%です。
例え3倍にしかならなかったとしても、儲けは10万円、利回り10%です。
もし100万円をすべてビットコインにつぎ込んで、6倍になったら500万円、3倍でも200万円の儲けです。
さらにレバレッジをかけて2倍の運用をしたら6倍で1,100万円、3倍でも500万円の儲けです。
儲けの額は比べ物になりません。
しかし逆に、暴落して価値が半分になったとしましょう。
5万円で買った場合は25,000円損しました。
残りの資産は97万5,000円です。
仮に無価値になったとしても、損失は5万円、まだ資産は95万円残っています。
ですが、全財産をつぎ込んだ場合、損失は50万円。
残りの資産は50万円になります。
レバレッジをかけていると、100万円の損失。
資産をすべて失ってしまいます。
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仮想通貨投資は少額から始めよう
このように、少額での運用をしていれば、例え大きく値下がりしても、全資産に占める損失の割合はわずかなものです。
資産が残っていれば、また次に別の方法で戦えます。
しかし、レバレッジを大きくかけていると、1度の負けで資産を全部失うリスクがあります。
投資は勝ち続けることはできません。
むしろ負けることの方が多いです。
実際に私も通年の成績を振り返ってみると、勝率は4割程度でした。
それでも年間利回りは15%程度を確保できました。
投資は資産を増やすことが目的です。
確かに大きく儲けることは気持ちいいです。
私もかつて年率40%の儲けを出したことがあります。
しかし、翌年、調子に乗ってレバレッジを大きくしてしまい、資産の約9割を失ってしまいました。
毎年10%ずつ資産を増やしていくと8年後に2倍以上になります。
20%だと4年で2倍です。
短期で大きく儲けることは魅力的ですが、儲けるチャンスと損をするリスクは表裏一体であることを理解する必要があります。
短期間で2倍に儲かる手段は、短期間で資産を全部失うリスクがあります。
資産を失うと次の手は打てません。
しかし、資産が残っていれば、次の機会に戦えます。
結果を出すには戦い続けるしかありません。
戦い続けるためにも、リスクをマネジメントすることはとても重要なことだと私は思います。