大相撲春場所、千秋楽は、横綱稀勢の里が、大関照ノ富士を優勝決定戦で破り、2場所連続優勝を飾り、横綱昇進場所に花を添えました。
なお、新横綱が優勝するのは、1995年初場所の貴乃花以来、22年振りのことです。
決して順調でなかった今場所の優勝
13勝2敗と、横綱らしい成績で今場所の優勝を決めた稀勢の里でしたが、13日目に横綱日馬富士との取り組みで土俵下に落下、左肩を痛め、休場の危機に陥りました。
何とか出場した14日目の取り組みも、怪我の影響か、まったくいいところがなく横綱鶴竜に敗れ2連敗。
もはや優勝は絶望的と思われました。
そして迎えた千秋楽。
負ければ照ノ富士の11場所ぶりの優勝が決まる一番で、稀勢の里は何とか突き落としで勝利。
優勝決定戦に望みをつなぎました。
正直、本割の取り組みを見た感じでは、厳しいなと思っていました。
左肩の影響で、左が満足に使えず、立ち合いも正面から当たるのではなく、左に躱して何とか相手のバランスを崩そうとしたが、結局まわしを取られ、土俵際まで詰められるも、うまく捌いて突き落とした相撲でした。
勝つには勝ったが、ギリギリの相撲。
しかも左が使えないことを照ノ富士に完全に見極められたので、決定戦では負けると感じたのです。
迎えた優勝決定戦。
立ち合いで呼吸が合わず、仕切り直しに。
ここであれっと思いました。
照ノ富士が入れ込みすぎているのに、稀勢の里がどっしりと落ち着いているように見えたからです。
そして仕切り直しの立ち合い。
両手を土俵に着き、相手を待ち構える稀勢の里。
照ノ富士は何か迷っているような感じでした。
正面からぶつかる両力士。
稀勢の里は体が少し起きてしまい、照ノ富士に懐へもぐりこまれるも、最後は小手投げで勝利。
2場所連続の優勝を決めました。
来場所への期待
2場所連続の優勝を決めた稀勢の里。
これまでは大事なところで躓いていた印象が強かったのですが、横綱になって、貫禄が出てきて、危なっかしさが薄れたように思います。
今場所は白鵬が怪我で早々に休場をしてしまい、四横綱時代の幕開けとはなりませんでしたが、来場所からは四横綱が怪我なく千秋楽まで良い相撲を取ってほしいと思います。
稀勢の里もまずは左肩の怪我を治し、万全の体調で来場所を迎えてほしいと思います。