将棋の加藤一二三九段(77)が、2月2日に行われた第75期名人戦順位戦C級2組で通算2500局となる対局を行いました。
この対局数は歴代ダントツのトップで、対局数2位は故・大山康晴十五世名人の2216局。
現役の棋士では谷川浩司九段(54)の2076局が2位で、羽生善治三冠(46)は1907局ですので、その凄さが際立っています。
加藤九段は、今季での引退が決まっており、63年間の棋士生活の最後に、節目となる大記録を打ち立てました。
現役最年長で元最年少記録保持者
加藤九段は1954年に14歳7ヵ月で史上初の中学生棋士になりました。
2016年に藤井聡太四段に破られるまで(14歳2ヵ月)62年に渡り最年少記録を保持していました。
なお、デビュー後4年連続で昇級をし、18歳でA級八段という記録も打ち立て、「神武以来(このかた)の天才」と呼ばれるようになりました。
なお、この記録は60年以上経った現在でも破られていません。
現役最年長棋士VS史上最年少棋士
昨年12月24日、加藤一二三九段と藤井聡太四段の現役最年長棋士VS史上最年少棋士の対局が行われました。
勝者は藤井四段で、それまでの最年少記録を保持していた加藤九段から最年少記録を更新した藤井四段へバトンタッチが行われたような対局で、感慨深いものがありました。
年が明けて、加藤九段の引退が決まったことも、余計に次世代への襷が渡されたんだなと感じました。
数々のユニークなエピソードを持ったお茶目な棋士
現役を63年も続けた棋士なら、さぞ厳しい方なんだろうと思ってしまいますが、加藤九段はとても親しみやすい、とてもユニークな棋士です。
数えきれないほどあるエピソードの中でいくつか例を挙げてみると…。
- やたらと長くネクタイを結ぶ。対局中はネクタイの先が畳につくくらい。
- 甘いものが好きで、対局中に板チョコをばりばり食べる。しかも何枚も。
- エアコンの音が気になるので消そうとしたら、間違えて部屋の照明を消した。
- タイトル戦の最中におやつを買いに外出。
- 30年以上、対局の昼夜はうなぎを食べ続けた。
えっと、どう見ても変人にしか見えない(笑)
なお、御年77歳にしてTwitterを使いこなすファンキーなおじいさまです
プロからは引退をされますが、今後も将棋を指し続けるということですので、まだまだ加藤九段の楽しいエピソードが増えていきそうです。