土屋太鳳さん留年、女優業を続けながら大学卒業をめざす

NHK連続テレビ小説「まれ」「カッコウの卵は誰のもの」「お迎えデス。」「IQ246~華麗なる事件簿~」など次々とドラマに出演し、「PとJK」「兄に愛されすぎて困ってます」「トリガール!」「8年越しの花嫁」など、映画への出演が決まり多忙な日々を送る土屋太鳳さん。

2013年に日本女子体育大学体育学部運動科学科舞踊学専攻に進学した現役の大学生でもあり、この春に卒業となるはずでしたが、出席日数が足りず、留年し、女優業と両立させながら卒業をめざすこととなりました。

大学の授業ってどういうシステムなの?

大学の成績評価は基本的に単位制で、ほとんどの大学で、4年間で124~128単位程度の取得で卒業、平均して年32単位の取得で、4年間で128単位となります。

しかし、学年が上がると専門科目の負担が大きいので、1・2年生のうちにできるだけ多くの単位を取ることが推奨されています。

1年間に取得できる単位数は大学によって規定がありますが、概ね上限は50単位です。

では128単位を取るためには、どれくらい授業を受けなければならないのでしょうか?

 

一般的に、大学の授業は前期と後期の2期に分かれています(セメスター制)。

単位を取得する科目は通年(前期と後期を通した科目)と半期(前期・後期のいずれか)のものに分かれています。

近年では、クォーター制(四半期)を取り入れている大学もあります。

半期で単位取得できる科目は1~2単位で、通年の科目は3~4単位のものが多く占めています。

例えば32単位を取得するためには、2単位の科目であれば16個、4単位の科目であれば8個の授業を取る必要があります。

実際には必修科目と選択科目を組み合わせる必要があるので、授業の組み合わせは複雑になります。

学生は、年度の初めに(学校によっては半期ごとに)自分が取る授業を選び、それぞれの科目で試験を受けたり、レポートを提出して、卒業に必要な単位を取得するわけです。

大学卒業に必要な出席日数とは?

今回出席日数が足りず、卒業ができないとのことですが、そもそも大学の授業で出席日数はどの程度必要なのでしょうか?

以前は授業に出ず、テストだけ受けて単位を取っていたというような学生も少なからずいました。

しかし、大学生の学力低下が問題になり、ここ10年くらいで大学側も出欠について、かなり厳しい対応をするようになりました。

一般教養科目と呼ばれる選択科目でも、出席を確認するなど、授業に出ることを評価の基準にする科目も多くあります。

土屋さんの舞踊学専攻は、実技の実習科目が多く配置されています。

実技の授業というのは、基本、出席することを前提としていますので、とにかく授業に出ないといけません。

授業の成績評価基準を示しているシラバスを見てみると、「良好な出席状況は、当然の前提である。」と記載されていますので、80%程度の出席は必要であると思われます。

大学の授業は週に1回がほとんどで、半期で13回、通年で26回の授業が行われますので、半期だと11回、通年でも22回は出席しないと単位は認定されない可能性があるということになります。

女優業に多忙な土屋さんにはかなり厳しい条件ですが、大学側とも相談し、できる範囲で卒業をめざすこととなりそうです。

留年は特殊なことではなく、勉学を継続するためのシステム

留年という選択は、一見特殊なことのように思われますが、文部科学省の学校基本調査によると、大学においては約2割の学生が留年しているとのことです。

成績不良で留年する人もいますが、家庭の事情や留学、土屋さんのように学業以外の理由で留年を選択する学生は多くいます。

大学は必要な単位を取得しないと卒業することができません。

もし4年間で必要な単位が取得できず、留年というシステムがなかったら、退学するしか道はなくなります。

留年はネガティブなイメージがありますが、個人の事情でどうしても所定の期間内に学業を修めることができなかった人のためにあるセーフティネットとしての機能が本来の目的です。

留年することで、しっかりと学ぶための時間を確保できるのは、学ぶ者にとって、とても有意義なシステムであると思います。

土屋さんも女優業を続けながら、しっかりと学ぶために、前向きに留年という選択をしたのでしょうね。

時間はかかるでしょうが、がんばって卒業してほしいですね。

 

最後に京都大学学生総合支援センターカウンセリングルームのHPに掲載されている留年に関する学生へのメッセージへのリンクを記載しておきます。

留年や中退をネガティブに捉えるのではなく、普通のこととして、その後のキャリアについてのアドバイスが記されています。

留年について-カウンセリングルーム(京都大学)

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