節分に食べると縁起が良いとされる恵方巻き。
元々は大阪あたりの地域で行われていたものですが、ここ10年くらいで全国的に広まりました。
私は大阪の出身なので、昔から馴染みがあったのですが、上京して初めての節分の時に、周りの人に言ったら「何それ??」と驚かれました。
まあね、太巻きを丸々1本、無言で食べきるという行為は、冷静に考えたら結構インパクトがありますよね。
さて、この恵方巻き、ただ食べるだけじゃなく、恵方と呼ばれる歳徳神(としとくじん)がいる方角に向かって食べると福が来ると言われています。
歳徳神とは、福徳を司る神様で、その方角に向かって事を行えば、万事に吉と言われる神様です。
2017年は歳徳神は北北西に在するので、こちらが恵方になります。
恵方は実は4つしかない?!
歳徳神がいる方向が恵方なのですが、実は恵方は4つしかありません。
その方位は「東北東」「西南西」「南南東」「北北西」の4方位。
歳徳神はこの4つの方位を渡り歩いているといえます。
この方角は年によって決まっていて、基準となるのは十干(じっかん)という暦法。
十干は甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の10種類から成り、十二支と併せて、日本では年を表すのに用いられてきました。
西暦の下1桁が4の時に甲となり、今年2017年は丁の年となります。
各年の恵方は次の通りです。
十干 西暦下1桁 方位
- 甲 (4) 「東北東」
- 乙 (5) 「西南西」
- 丙 (6) 「南南東」
- 丁 (7) 「北北西」
- 戊 (8) 「南南東」
- 己 (9) 「東北東」
- 庚 (0) 「西南西」
- 辛 (1) 「南南東」
- 壬 (2) 「北北西」
- 癸 (3) 「南南東」
やたら「南南東」が多いですが、4つを10個で回すわけですから、少し多くなるものも出てきます。
恵方巻きを食するときのルール!
恵方巻の太巻きには7種類の具材を使うとされています。
これは七福神に因んだもので、商売繁盛や無病息災を願うという意味があると言われています。
最近では海鮮恵方巻きなど豪勢なものもありますが、スタンダードなのは、かんぴょう・キュウリ・シイタケ煮・伊達巻・ウナギ・桜でんぶ・高野豆腐が入ったもの。
私が昔食べていたのは、この具材のものでしたね。
これらを巻いた太巻きを、恵方を向いて一気に食べるのがルールです。
しかも食べている最中は、縁起物なので、福が逃げないように、一切言葉を発してはいけなく、水も飲まずに食べます。
これ、一人でやると黙々と食べている普通(笑)の食事風景ですが、5人くらいでやると、とてもシュールな情景です。
5人が同じ方向を向いて、一切しゃべらず、しかも20cmはある太巻きを一気に食べる絵面は、想像するだけでも不思議な光景です。
最近はコンビニでも恵方巻きの取り扱いがありますが、実家にいた頃は母はお寿司屋で買っていました。
私も買いに行ったことがあるのですが、普段は普通のお寿司屋さんが、節分だけは朝からひたすら太巻きを作り、うず高く積み上げて売っている様子は壮観でしたよ。
なにせ100本から積んであるのに、奥ではさらに作ってるんだから、一体1日で何本売ったのか…。
なお、我が家では、母が夕食の準備が面倒なので、毎年節分は恵方巻きにしたと豪語しています。
さらに1人当たり2本も買ってくる暴挙。
他に食べるものもなく、ただただ黙々と恵方巻きを食べ続ける光景が、年に一度開催されていました。
最近ではロールケーキで丸かぶりをするなど、様々な恵方巻きイベントがありますが、私はスタンダードな太巻きでの丸かぶりが好きですね。