真田丸最終回の裏で、鹿島アントラーズがクラブW杯決勝を戦っていました。
下馬評ではレアル・マドリードが圧倒的に優勢。
スーパースター軍団相手に、鹿島がどこまでやれるのかという論調が大勢を占める中、選手たちは本気で勝つために準備をしていました。
もうひとつの赤備え、鹿島アントラーズの戦いが始まりました。
勝つために彼らは戦っていた
試合の経過はご存知の通り、前半9分に先制されるも、44分に追いつき、後半7分に鹿島が勝ち越します。
この瞬間まで、おそらく世界中の誰も鹿島がレアルからリードを奪うとは思っていなかったでしょう。
もちろん、プレーしていたレアルの選手たちも。
しかし鹿島の選手たちは違った。
彼らはこの試合、徹頭徹尾、勝つつもりで戦っていました。
苛烈を極めるレアルの攻撃をしのぎ、チャンスを窺っていたのです。
リードされたレアルは雰囲気が変わり、怒涛の攻撃を展開します。
直後の後半15分、PKを取られ同点に追いつかれ、その後もレアルの苛烈な攻撃が続きます。
何本もゴールを襲うレアルの攻撃。それを素晴らしい集中力で凌ぐ曽ヶ端。
90分では決着が着かず、延長戦へと突入。
しかし、C.ロナウドに2発決められ力尽きます。
結果は2-4。
しかし、一時はレアルからリードを奪い、世界最強のスーパースター軍団に目の色を変えさせるプレッシャーをかけたことは疑うべくもありません。
真田丸最終回に重なったもうひとつの赤備え
開催国枠の出場とはいえ、3試合を戦い抜き、決勝の舞台に立った鹿島アントラーズ。
戦うたびに強くなっていくのを端から見ていても感じていましたが、さすがにスーパースターがそろうレアル・マドリード相手には勝ち目がないだろうとも感じていました。
しかし、彼らは果敢に攻め、レアルに勝てるのではと思わせる戦いを繰り広げてくれました。
同じ時間、大河ドラマでは真田信繁が徳川の大軍勢に最期の戦いを挑んでいました。
勝つためにもがき、強大な相手に立ち向かっていく鹿島と信繁の様は、まるで示し合わせたかのような符合を示します。
鹿島のユニフォームは赤、真田信繁の鎧の色に通じるものがあります。
そして、鹿島のマスコットは鹿。信繁の兜飾りも鹿の角。
この符合は、もはや何かに導かれたのではないかと感じてしまいました。
私の中で、アントラーズはもう一つの赤備えとして認識されました。
真田が徳川に負けることは分かっていたことですが、その姿を見届けたあと、せめて鹿島は勝ってくれと願わずにはいられませんでした。
一時は信繁同様相手を追い詰めるものの、あとわずかのところで及ばず力尽きたアントラーズ。
残念な結果になりましたが、しかし、この真田との符合が、私の中では強烈な印象を残すことになったと思います。
世界の頂に、わずかに手が届かなかったアントラーズ。
彼らは信繁と違い、またその夢に挑戦することができます。
「望みを捨てぬ者にのみ、道は開ける」
アントラーズの皆様、本当にお疲れ様でした。