伝説になる第76期A級順位戦

11名で行われた第76期A級順位戦

最終局、いわゆる将棋界の一番長い日は、すでに降級が決まった屋敷九段以外の10人が、挑戦権または降級に関係するという史上稀に見る大混戦となった。

6勝3敗で久保王将、豊島八段が並び、

5勝4敗に稲葉八段、広瀬八段、佐藤九段が続く。

そして抜け番の羽生竜王が6勝4敗で結果を待つ。

B級1組への降級については、すでに降級が決まっている屋敷九段以外に、

4勝5敗の渡辺棋王、深浦九段、三浦九段、

3勝6敗の行方八段のうち2人が対象となる。

なお、それぞれの対局は

久保王将と深浦九段
豊島八段と広瀬八段
稲葉八段と行方八段
屋敷九段と佐藤九段
渡辺棋王と三浦九段

となっている。

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それぞれの戦い、それぞれの決着

それぞれの対局が進み、22時20分頃、まず豊島広瀬戦が終局した。

終盤勝負に出た豊島八段の攻めを凌ぎ、広瀬八段が勝利。

これにより久保王将は勝利すれば名人挑戦権獲得、負ければ4者プレーオフの可能性が出てくる。

しかし豊島八段、今期は開幕から5連勝した後、1勝4敗と、あと1つ勝つ難しさを痛感した1年となったことだろう。

1時間後、稲葉行方戦終局。

稲葉八段が危なげなく勝利し、5者プレーオフの可能性と、行方八段の降級が決まる。

 

23時40分頃、佐藤屋敷戦終局。

佐藤九段が勝利し、6者プレーオフの可能性が出てきた。

日付が変わった0時5分。

残った2局のうち、渡辺三浦戦が終局。

互いに降級のかかった直接対決は三浦九段が勝利し、渡辺棋王は久保深浦戦の結果待ちとなった。

 

最後の最後まで残った久保深浦戦。

久保王将が勝てば名人挑戦権を得る。

深浦九段は残留するには他の結果がどうあれ元々勝つしかない。

将棋界の一番長い日は、いよいよ大詰めを迎えた。

この時間まで互いに攻め合うも何とか凌いできたが、0時15分。

ついに久保王将が投了。

ここに史上最多6名によるプレーオフが決定した。

また、深浦九段の残留と渡辺棋王の降級も決まった。

地獄のパラマス方式トーナメント

6人によるプレーオフだが、単純なトーナメントではない。

前年75期の順位戦の結果で上位の者は少ない試合数で挑戦権を獲得できるパラマス方式トーナメントである。

最終局、勝てば挑戦権を獲得できた久保王将、豊島八段が、もっとも下位の位置からのスタートとなる。

1勝できなかったため、5勝が必要になったこの2人が果たしてどこまで勝ち進めるのか楽しみである。


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