機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 感想

最終回を迎えたので録画していた機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズを一気に観ました。

一言でいうと、面白かった!

しかし、設定が斬新すぎるというのが素直な感想(笑)

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任侠映画のような展開の第2期

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズは第1期が始まった際に、少年兵が、という意見が目について興味が惹かれました。

確かに日曜夕方に放送するにはセンセーショナルな内容でしたが、個人的には非常に考えられたよい作品だなと思いました。

宇宙世紀ガンダムは、戦争という状況の中にありながら、平和な世界に生きてきた少年たちの価値観で物語が展開していましたが、オルフェンズの少年たちは、恵まれた環境ではなく、荒廃した世界の中で、自分たちが如何に生きていくかを描いていたところがこれまでとは違うと感じました。

腐敗した行政組織への不満から世界を変革するのではなく、鉄華団の少年たちは、自分たちの力で如何に生き抜くかに心血を注ぎ、のし上がっていくことを夢見て、実利追う姿はとても鮮烈なインパクトを与えてくれました。

第1期は自分たちの居場所を探す旅を続けている印象でしたが、第2期は展開が完全に任侠映画と化し、それはそれで非常に面白かったので、個人的にはアリです。

まさかガンダムで親子の盃を交わすシーンや、落とし前をつけるためにカチコミをかけるシーンが見られるとは予想すらしていなかった(笑)

2期の終盤を見ていて思ったのは、ヤクザの権力抗争の末に、若い連中が多い組が割を食わされて滅んでいくという、悲しいまでに大人に利用された子どもたちの戦いだったんだなということでした。

彼らはストリートチルドレンとして育ち、その中で培った生き方しかできなかった。

クーデリアが彼らのことを不憫に思い、責務として自分の理想の実現にひた走るも、そのために鉄華団の少年たちの力を借りなければならない矛盾に対する苦悩は、理想と現実のギャップを非常に分かりやすく表現していたと思います。

マクギリス・ファリドについても様々な意見があると思いますが、彼も自分の出自故に世の中の仕組みに憎悪し、のし上がって得た力を以てその仕組みを変えようとしたところは、立場は違えど鉄華団の少年たちと通じるものがあったから、行動を共にしていったのでしょう。

ガンダムというシンボルを中心に展開されたストーリーでしたが、宇宙世紀シリーズのニュータイプ型の主人公とは違った、時代背景に対して等身大なイメージの少年たちが紡いだ、秀逸な作品だったと個人的には思います。

また、主人公たちが勝利するのではなく、敗北してその後の世界はそれまでと大きく変わらず続いていくというラストは、近年のガンダムにない余韻を残していった作品でもありました。

そういえば、阿頼耶識という言葉は聖闘士星矢以来の言葉だったな…。

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