徒然日記

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ガイアの夜明け 7/11 どこへ行く?ふるさと納税 備忘録

居住地以外でも寄付をすれば住民税が控除され、さらに返礼品が貰えるふるさと納税制度。

2016年度は過去最高の2,844億887万5,000円(総務省発表)に上った。

 

しかし、額が大きくなることで様々な問題が明らかになってきた。

2017年度、10年目を迎えたふるさと納税は大きな転換期を迎えている。

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加熱する返礼品競争を総務省が規制

ふるさと納税は、寄付額の2,000円を除いた全額が控除される仕組み。

さらに返礼品を受け取れるので、自己負担2,000円でお得に商品を手に入れることができるシステムとして人気がある。

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各自治体は寄付を集めるために様々な返礼品を用意し、アピールをしてきた。

その競争が加熱することにより、返礼品が高額になり、今年の3月31日、総務省よりふるさと納税の返礼品に対する通達が出された。

内容は金銭に近い商品券等の返礼品や、資産性や換金性の高い返礼品を自粛するようにというもの。

さらに返礼品の費用は寄付の3割以下にすることを、速やかに行うようにというものもある。

しかし一部の自治体ではこの動きに反発が出ている。

各自治体の反応

例えば三重県志摩市では真珠の養殖が盛んで、返礼品に真珠を使ったアクセサリーを送っていたが、資産性が高いものとして取り止めの対象になった。

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しかし地場産業として発展してきた真珠養殖は志摩市にとってはアイデンティティーに近いもの。
それを禁止される事は、地元の事業者からも不満が噴出しており、市議会も受け入れられないと考えて、総務省の要求を拒否。
そもそもふるさと納税の趣旨としては、地域の産業の活性化を謳っていることを考えると、市の反応は当然だといえる。

長野県伊那市では総務省の通知に対し、来るべきものが来たというふうに考えている。

伊那市は家電をふるさと納税の返礼品に採用することにより、2016年度は約72億円の寄付を集めた。

この額は全国でも2位の規模である。

商品のラインナップを見てみると、テレビやオーディオ、オーブンレンジ、ダイソンの掃除機まである。


一見地域の産業と関係のない返礼品のように思えるが、伊那市は電子機器の部品を製造している会社を抱えていて、その部品が使われている商品を返礼品としている。

さらに返礼品の調達先は、市内の電気店であり、小売業の下支えをしているという。

電気店の経営者は、市が町興しをしてその成果が目に見えるものであると言うが、潤っているのは電気店だけじゃないのか?と個人的には疑問に思う。

結局伊那市は、返礼品からすべての電化製品を外す決定を下した。

しかし、今後、どういったものが良いか、さらに抜け道を探すことになると市長は考えているようだった。


国としては地場産業や伝統産業の振興に集めたふるさと納税を使ってほしいという考えはあるが、そもそも地場産業の範囲がどこまでを指すのかが不明瞭なところが問題なのではないだろうか。

例えば部品だとNGで、製品ならOKというのは、部品しか作っていない地域からすると不公平だという話になる。

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ふるさと納税に占める返礼品の経費は?

宮崎県都城市の場合、2015年度42億円の寄付に対し33億円が返礼品の経費として使われていた。

さすがにここまで行くと行き過ぎの間は否めない。
都城市ふるさと納税で税収を上げるのではなく、受けた寄付すべてを返礼品として還元する心算であった。

返礼品の調達により、地元の産業が潤い、商品を知ってもらう事を目標にしていた。

確かに商品を知ってもらう入り口としてふるさと納税の返礼品とするのはいいアイデアだと思う。

ただ、そこから通常の購買に繋がらないのであれば、先行きは暗い。

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返礼品の調達先として立ち上げた会社が紹介されていたが、そもそも返礼品だけを目的にビジネスを立ち上げるのは、制度本来の目的から逸脱しているので、事業が立ち行かなくなっても、同情はできない。

 

なお、ここからは憶測だが、返礼品の調達にかかるコストは、普通に購入するよりも割高な可能性が高い。

制度として地域産業の活性化という趣旨が建前としてあるので、過度な値引き交渉はできないので、一般の仕入れより高値で仕入れていることは考えられる。

ある意味、利権化しつつあるので、調達に関する部分に、今後メスを入れるべきなのかと個人的に思う。

 

総務省の寄付金の3割を上限とする通達により返礼品を大幅にリニューアルした都城市は、リニューアル前と比べると10分の1にまで落ち込んでいた。
お得感が薄れたことにより、寄付する人が離れてしまったと思われる。

北海道上士幌町の例

上士幌町も返礼品を武器に多額の寄付を集めた。

寄付の使い道として、そのほとんどを子育て支援につぎ込んできた結果、思いもよらないことが起こった。

具体的には0歳からの保育料無料や、外国人講師を雇い、英語教育に力を入れることにより、これまで減少していた人口が、2016年度に増加したのである。

ただ、多くは北海道内からで、しかも同じ十勝管内からの移住者の比率が高い。

近隣の自治体から子育てに有利な上士幌町に移住するケースが相次いでいるのである。

まとめ

都城のケースにしろ、上士幌町のケースにしろ、お得感がある所に人は集まるという構図がある。

そのため、そのお得感がなくなると離れていってしまう。

 

ふるさと納税制度は地方の衰退を食い止めるため、地場産業の活性化を目論んで作られた制度であるが、国の考える本来の趣旨と、国民が求めるものとのギャップが大きいものであることが、ここ数年で明らかになった。

国の考える高尚な目的は理解もできるし、必要な政策ではあるが、庶民は生活がかかっているので、節約の一環でふるさと納税を利用している部分が大きい。

そのギャップが埋まらない限り、返礼品をめぐる問題は抜け道を探すこととなり、むしろ今より複雑になる可能性も考えられる。

 

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